闇夜に目あり
個々の依頼を確認してみると、よそ者から請け負ったドリガン料理の秘訣を聞いてくるという依頼がこの基地内で進められそうだというのを確認しました。

ならば早速と洗い物に忙しそうな主婦の方から聞き込み開始。

ご婦人が言うには料理は愛情!
どこかで聞いたことがあるような言葉ですが、きっとどこの世界でも共通する料理道の真理なのでしょう。

次にお話を伺った住民さんが言うには、ドリガン料理にはこの地域独特の香辛料が使われていて、それがポイントであると聞きました。
慣れてない人間からするとびっくりしてしまうような風味が料理の独自性を感じさせるってのは良くあるパターンかもしれませんね。

最後に料理の秘訣を伺ったのはベテラン主婦の方。
このご婦人がおっしゃるには、ただ新鮮な材料を使っているだけなそうです。
ま、でも、この辺りで採れる野菜とか肉や魚なんかを使っているという話なのかもしれませんね。

と言う訳で、ドリガン料理の秘訣を聞いて来たへっぽこさん。
よそ者料理人に全てご報告したのですが・・・あれ?なんか怒ってます?
自分は教えてもらえなかったのに、同じよそ者のへっぽこさんが聞きに行ったら教えて貰えたってのがご不満か?
だからたぶんそれは、いくらドリガン住民コスプレをしてもイントネーションが超おかしいに違いないんですって。
変に地元民のフリをしたのがいけないんじゃないんですかね?
ん?だからと言って香辛料が秘訣だなんて信じられないってね?
ここの人達が嘘を教えているとでも言いたいんでしょうか。

挙句にあれあれお前様、何を抜かしておいでか?
なぜ料理に砂を?
へっぽこさんにはこの流れが全く理解が出来ませんが?

で、料理に砂をかけろって依頼です。
これぞまさに阿呆に法なし。
最早、理屈もへったくれも無い状態ですわね。
いやいや。いくら何でもこの依頼、おかしすぎやしませんかね?
まさか本当に料理に砂をぶっかけろと?
そんな阿保な話は無いよなぁ?まぁ、一応その料理とやらを見に行ってみようか程度に鍋を覗きに行ったへっぽこさんでしたが・・・

って、依頼目的達成?
・・・。
あああ!
調べた瞬間に鍋に砂をぶちまけてるじゃございませんか!
まだ、砂をかけようってボタン(?)を押してないんですけどぉ???
って、今更言っても無駄ですね。
もう、砂をぶちこんじゃったみたいですから。
あーあ。

おまけに傍にいた老人に全てみられちゃってたじゃないですか。
ほんとね。世の中、悪事なんて誰かに見られているものなんですよね。
・・・。
ごめんねって言っても許してもらえないですよね・・・?
ただ救いがあるとすれば、この老人は全てお見通しのようでして、あのよそ者がやらせたと理解している様でした。

そして、おじいさんから手厳しいお叱りの言葉を頂きました。
本当ですよね。
ドリガン料理はその独自の香辛料が決め手だと、へっぽこ料理人の私でさえ感付いたくらいなんですけどね。
それがあのよそ者にはわからんのです。
おじいちゃんのおっしゃるとおり、まったくシェフ失格ですよあの男は。
いや。もうね。他人様の作った料理に砂を入れろだなんて人間失格ですよ。
実際に砂を入れたのは私ですけども。
どうもすみません。

こうして、なんとも後味の悪い感じのまま、よそ者料理人の依頼は終了。
ほんと、鍋に砂を入れちゃうなんてことはせず、阿保な事を抜かすよそ者の口にでも砂をつっこんでやれば良かったと思うへっぽこウォリアーでした。

