英雄を失った人々

自分達を救済出来るのは、唯一ガーモスだけと信じて疑いません。
シンプルに考えればそんなわきゃないってのが分かりそうなもんですけどね?
ま、だからこそ妄信という言葉があるんでしょうけども。

しかし、彼らの言うことにも一理あります。
おめードラゴンに勝てんの?
・・・。
いやそれはね、絶対勝てるなんて言えない感じといいましょうか。
出来ればそう言い切りたいところなんですけど、きっと現実的には難しいだろうな~なんて思うというか。

そんなあやふやな態度のへっぽこさんを完全無視した崇拝者は、シェレカン様ならば戦えるとおっしゃいます。
しかし、今はもう失われてしまった。
だから、希望はないと。
えっと・・・シェレカン様ね。今もいらっしゃいますよ?
へっぽこさん、つい先ほど会ってきましたもの。
ただし、幽霊になっちゃってますけどね。
何て言うか、シェレカン様達が今ここに姿を現して下さったら話は早いんですけどね。
ま、シェレカン様達も色々とお忙しかったりして、そういう訳にも行かないんでしょうね。
うーん。

とりあえず、これ以上の話は出来そうもないと言うことで、再びヒバンさんの所へと戻って来ました。
するとまた、この方、怒り散らしていらっしゃいます。

恐怖に負けたらドリガン人ではない!ってね。
そりゃね。ドリガン人に限らず、降伏してしまえばその民族の未来は無くなってしまうパターンもありますが。
でもね~ドラゴン怖いって言う人の気持ちももっともな気もするんですよ。
だってドラゴンですよ?
ぶわーっと火を吹いたりしちゃうかもですよ?
人間なんて一瞬で消えてなくなりそうなもんですよ?
ですもの、普通は腰が引けますって。

まあ、だからと言ってドラゴンを崇めちゃダメだってのは分かります。
何とかこの危機を脱するべく、足掻く気持ちが大切です。ドラゴンにへつらうんじゃなくね。
そうそう、そこでへっぽこさんの様な冒険者が頑張る時ですよ。
優秀な?ってね。おだてても何も出ませんけど。

すると、ヒバンさんの口から、トシュラ廃墟に居るレオンという方に会いに行くようにと言われました。
トシュラ廃墟って・・・レッドウルフの村のさらに北東の方に見えたあの場所ですね。
随分遠いですけど。

で、そこにいるレオンさんという方は、昔からドラゴンの研究をしている方なんだそうです。
ドラゴン関係の専門家さんですか。
そんな方ならこの窮地を救える何らかの奇策を思いつくかもしれませんね。
何せドラゴン研究家ですから。
でも、知っているからこそ・・・
ドラゴン?無理無理!ぜーったい無理!!
とかって言われてしまうかもしれないですよねぇ?

