乗車中は席を立たない様お願い致します
へっぽこなウォリアーを乗せた空の馬車は程なくしてカルフェオンの大地を離れて行きます。

あれよあれよという間に物凄い高さへと急上昇して行く空の馬車。
既に眼下に居るハズの大勢の人々の姿は見えません。
同じく、その辺に居るハズの我が愛馬の姿ももう見えません。
ま、発着場傍に置き去りの愛馬はカーマスリビアに着いてから遠隔回収すれば問題ない筈です。

視線を上げてみるとそこには立派なカルフェオンの街並みが見えました。
こんな高さから眺めるというのもなかなかオツなもんで御座います。
しかし、この空の馬車ってかなりの速度で移動するものなんですね。
もっとのんびり飛んでいくものかと思いましたよ。
ですが、乗り心地はゆったりそのもの。
ガタガタ揺れたり強烈な風にさらされているという感じはしません。
上空にはカーマスリビアへ向けた魔法の気流航路?でも張り巡らされているんですかね?

かなりの速度で進む空の馬車はそれこそあっという間にカイヤ湖周辺へと到達。
湖には優雅に泳ぐワニさんたちの姿が確認出来ました。
へぇ。
この高さからでもワニさんたち見えるんですね。
ここから猟銃をぶっ放したら当たるのかしら?
良いからお前は大人しく座ってろって?
はい。すみません。

その後も空の旅は順調に進み、目の前に立ちはだかるバルタラ山脈の威容が目に飛び込んで来ました。
グラナヘ直行ってことは、あの山を越えて行くんですよね・・・?
こうして見るとバルタラ山脈って相当な高さがありますが・・・
越えて行けるんですかね?

そんな若干の不安を感じつつもそこから眼下に目を向けてみると、この辺りは丁度ルツム族の駐屯地。
目を凝らしてみると、豆粒の様なルツム族たちが大勢ウロチョロしているのが確認出来ます。
この高さでもモンスター達の姿は見えるものなんですね。
当家のへっぽこレンジャーさんならここから攻撃したり出来るのかしら?
・・・。
はい、すみません。
余計なことは考えないで大人しく座ってます。

そしていよいよ近づくバルタラ山越えの時。
空の馬車も徐々に高度を上げて行きます。

大丈夫なのか・・・?と、ドキドキしながら山越えの様子をジッと眺めるへっぽこさん。
結構・・・山肌ギリギリを行くもんですね・・・
しかし、こんなに高度を上げなくても通れそうな谷が他にありそうな感じなんですが。
意外と攻めたルートを行きやがります。
ま、これも乗客を楽しませるエンターテインメントな部分なんでしょうか。

無事、バルタラ山脈越えを果たしたへっぽこさんを乗せた空の馬車。
するとその瞬間から目の前にはカーマスリビアの大地が広がります。
おお。おお。
せこせこと陸路を行った前回の旅とは全然違う、何やら感動的な感じのするカーマスリビア入りじゃないですか。
後はここから首都グラナを覆うカーマスリブの木を目指して行くだけですね。

