知恵の古木の伝令士

ま、もう随分長いこと見慣れた
ですが、このオビー・ベレンさんもへっぽこさんの事など覚えちゃいません。
まるで初めて会ったかの様な対応です。

そんなオビー・ベレンさんには、既にカルフェオン使節であるへっぽこさんがレモリア警備警戒所を通過したという話が耳に入っていたようでして。
ああ、そりゃ外国人使節が今どのあたりに居るのかって、ガネル達も情報伝達しているでしょうからね。
それにしちゃ、なかなか来ねーな?
ほんと、道草食っている場合じゃないですよね。

そんなオビー・ベレンさんですが、早速彼だけが知るというお話を聞かせて下さるそうです。
ほうほう、どんなお話ですかね?

んん・・・???
あたまがいいというか・・・ね。ごうよく・・・というか・・・

一体何の話ですかね?これ。
オビー・ベレンさんだけが知っているとかおっしゃってますけど、カルフェオンが欲深いと気が付いている人は沢山いると思いますよ?
それはガネルの中にも沢山いらっしゃるはず。
あえて、口に出して言わないだけでね。

話はそれだけかーい!
まったく。私だけが知っているとか言っておきながら・・・
あ。それより。
わたくしとしたことが、ずっとこの様な石板を小脇に抱えていたみたいですわね。

その石板を眺めるオビー・ベレンさん。
すぐにナク神様の話だと分かった様です。
そうなんですよ、これ。
なんでも、女神様からナク神様へのお手紙らしいんですよね。

ああね。
こんなん道端に落ちているわけないですからね。
いやこれ、ナク洞窟で見つけたんですわ。とご説明。
途中、

あ、この女神様ってやっぱりシルビア様の事だったんですか?
ああね。
んで、このお話をガネル達にも聞かせなければならないとおっしゃる彼。
封印されていたってだけに、やっぱりこの話ってあまり知られてないんですかね?

なので、石板をくれよ!と。
え?
あ、まあ・・・
ここで、ジェーリモ氏が言っていた言葉がへっぽこさんの脳裏をかすめます。
「オビー・ベレンは俺の作品・・・」
一応、カーマスリビアにとって貴重な品っぽいこの石板を渡してしまっても大丈夫なんでしょうか・・・?

