女神の息子

そして遂に、彼女が命を落としたその場所。
イアナロスの野へと辿り着きました。

美しき野に立つイアナロスの岩。
その岩を調べてみると、誰かの声がしました。
ここは、カーマスリブの光を取り戻す為に、幼いキャサリン姫が生贄として捧げられそうになった場所。
・・・え?
最終的に姫は生贄予定だったんですか?
そんな・・・酷い。

しかし、生贄となる前にアヒブの手により命を奪われてしまった場所。

さらに、それに怒ったアメリア女王がアヒブに対し宣戦布告した場所・・・
ここで?
てか、戦の原因になった場所って感じですかね?

さらにさらに。
アヒブに捕らえられた若き日のブロリナ女王がこの国で最後に過ごした場所・・・
捕まって、ここまで連れて来られたんですかね?

そんなガネルとアヒブ、双方の様々な思惑が渦巻く一連の事件は、ここイアナロスの野に集約すると。
以前来た時にはそんな話など全く知らなかったですのでね。
ただ美しい場所だという印象のみでした。
が。
色々知った後ですと、この場がただ美しい場所とは思えなくなってきます。
複雑な思いを抱え、しばし立ちすくむへっぽこさん。
この後、へっぽこなウォリアーに何か出来る事など存在するのでしょうか?
と、その時!

背後に何者かの気配が。

慌てて振り向いたへっぽこさんの背後に立っていたのは、見知らぬ老人(?)。
その手には立派なワンドが握られています。
魔法使いでしょうか?
しかし、いきなり襲いかかってくる様子はありません。

その男は静かに語り始めます。

そして、自分は女神シルビアの息子だと。
名はルトラゴンだと名乗りました。

