放浪者の胸の内
一体それが何なのか、もう少し彼女の話を聞かなければなりません。

その切っ掛けは、セペル一派がオウダー女王に反旗を翻した日。
首都でアヒブを堕落させる力を持ったご神木トゥラシルの種が弾けた日なのだそうな。

それまで、女王の統制により致死量ギリギリのドーピングを行っていたアヒブたちは、この爆発によって大勢の堕落者を生み出してしまったと。
あらぁ・・・。
最初から堕落する危険性のあるご神木の力になんて頼らなければ良かったのに。

で?
ご神木の種が爆発すれば、こうなる結果はおそらく分かっていた筈ですから、これってやっぱりテロなんでしょうね?
となると、犯人はセペル派?
しかし、ヘロンさんによると、堕落の力について知っていた者はごく限られた人物。
女王の直属。ヴェルティ、オドラ、そしていばらの監視者だけ。
・・・へぇ。

ですがヘロンさんは、それ程重要なことを一部の人間だけの秘密にしていた女王に不信感を抱いてしまったんですね?
ああ・・・。
でもね。別にオウダー女王の肩を持つ気はありませんけれども、堕落の力が強大であればある程、それを悪用しようと考える人間も出てくるわけでしてね。
ついでに、オウダー女王もリスクを承知の上でご神木の力を利用しなければならない何らかの理由があったんでしょうしね。
となれば、ヤバすぎる情報は内緒にしても仕方がなかったのかなぁ?と思いますけど。

女王のやり方に疑心を抱いてしまったヘロンさんは・・・
きっとこれ、ヘロンさんご自身で独自調査なさったんでしょうね。
古代の闇の主が光明の神と呼ばれている事。
そして、その一件に影の騎士団が絡んでいるという事。

その影の騎士団はセペル派と結託。
ん?
カチーヌさんと一緒にいる以上止まらなければならなかった?
それ以上調査を進めるのは危険と判断したって事ですかね?
あらぁ。
なんだかんだ言ってカチーヌさんの事を相当気にかけていらっしゃるじゃないですか。
人間は問題解決能力がないとかディスっていないで、カチーヌさんを奴隷の身分から解放して、さらにヘロンさんがお力添えをして差し上げれば良いのに。
ま。
単に、主人と奴隷という関係からくる、主としての責任みたいな考え方してるだけなのかもしれませんけども。

ところでお前ら(へっぽことアタラクシア)。
相当やらかした(サイゴードの角保有者)みたいだね?
と、おっしゃるヘロンさん。

つまりそれは、反女王派であるセペルの手先って意味だぜ?と。
・・・。
いやぁ・・・わたくし個人的にはセペル派に協力したつもりは無かったんですけど・・・
オーディリタに来るまで、アヒブはアヒブだと思ってましたんでね。
そんな内部で喧嘩してるとか考えてもいなかったものですから・・・
で。
セペルの手先である君たちが足を踏み入れられるのはナクシオン、ここまで?

深き夜の港は奴隷を分類する場。
アヒブの信仰するオドラの教理に従い港へ入るのはOK。
ナクシオンはナク神様の楽園。
特別なナクシオンの月の条約により、ここへ来るのもOK。

しかしこの先は、すべてオウダー女王の土地。
セペルの手先である君たちは入場不可ですよっと。
てか、やっぱりオペンシラ様って・・・セペル派だったのね。

あれだけ
やっぱ堕落の力をドーピングしまくっちゃったセペル派の人でしたか・・・
この事実を聞いたらオーウェンさんもきっと複雑な気持ちになるでしょうよ。

しかも。
首都で堕落の力テロを起こした張本人?!
えぇ・・・。
ブロリナ女王は、ガネルの宝を盗んだ窃盗犯とも言ってましたけど?
あと、カーマスリブの焼いた張本人だとかって話も出てましたけど・・・
ちょっとちょっと。
オペンシラ様のヤバさ度が一気にマシマシな感じになってきちゃいましたけど・・・
オペンシラ様の目的は一体何さ?
って、その上にセペル様って大ボスがいるんでしたね。
てことは、セペル様が一番ヤベー奴か。

