光を追い求める女王

しかし、御神木を焼いたとされる元祖アヒブ、ジョシュア・オウダー様の行動も・・・

今現在、カーマスリブの光が必要であると考えるウィオレンティア・オウダー女王の判断も、その理由がおぼろげながら見えて来ました。
カーマスリブが闇をおびき寄せてしまう灯台だとしても、闇を打ち破る為にはカーマスリブの光が必要。
闇の侵攻が近づく今、カーマスリブの光こそが希望の光となるのでしょう。
じゃあ、初めから御神木なんか無かった方が良かったんじゃね?
とか、思ってしまいますが、それはそれで精霊さん達が森から居なくなったり、色々弊害があるのでしょう。
へっぽこさんには良くわかりませんけども。
そもそも、錬金術師カプラスさんがこちらの世界に来ることが出来たという事は、カーマスリブ以外にも御神木と呼べる様な物が他に存在しているのかもしれません。
オーウェンさんが最初に辿り着いた地は・・・イリヤ島だとおっしゃってましたね・・・。
ひょっとしてあの島にも・・・

そんな複雑怪奇な運命に翻弄され命を落とされてしまったキャサリン姫ご本人は、気丈にも笑っていらっしゃいますが。
ドロドロの姉妹喧嘩(?)の果てに死んじゃってますからね・・・
そんな明るい雰囲気で話されましても、へっぽこさんとしては非常に複雑な心境でございます。

そして、ここでまた一つ、へっぽこさんからの質問。
自分で尋ねておきながら、二人の姫とは誰と誰の事を聞いているんだかわかりませんが。

ああね。
ブロリナ女王とウィオレンティア女王のお二人の事ね。
カーマスリビアとオーディリタ現女王であるお二人は、キャサリン姫がカーマスリブの光を取り戻そうと奔走していた当時、なにしてたの?って疑問ですね?
当時、現女王のお二人はというと・・・
アメリア女王の陰謀に巻き込まれ毒殺されてしまったオリアナ様とジョシュア様の残した秘密任務を遂行中だったんですか。
秘密任務?
そんなん初めて聞きましたけど。

その任務とは、この世に現れたハドゥムの蛇イベドルを探し出し、ブチこ〇す事。
ああね。
あんなんにこの世界をウロチョロされてたらたまらんですからね。
彼奴を討伐に向かっていたと。

そうですね。姫様各々が大変ご苦労なさってたんですね・・・

せめてアメリア女王が権力を握る世でなければ、姫様方が皆手を取り合っておおっぴらに闇に対抗していたのでしょうね。
・・・。
これは時代が悪かったというべきか、それとも・・・
しかし、アメリア女王は、何故にありとあらゆる陰謀を企ててまで、何を追い求めていたのか?
カーマスリビア女王としての権力?
それか世界制覇とか?

ですが、それさえも母の試練だったのかもしれないなどと姫はおっしゃいます。
試練ねぇ・・・
その試練が導いた先にカーマスリブの光があったとそうお考えになりますか。
へっぽこさんは、女神シルビアの息子じゃないんでね。
娘息子をこんなひどい目に合わせる母は嫌だなぁと思ってしまうんですけど。

黒い花の女王と呼ばれた姉アメリアの存在も全て試練ですか・・・
キャサリン姫は本当にお強い人ですねぇ・・・

そうそう。
それこそ大事な部分です。
国家を巻き込み、親族を次々と亡き者にしながら、アメリア女王が目指したものとは・・・

え?
誰よりもカーマスリブの光が必要だったから?
・・・。
あのー・・・
それって、どういう意味なんでございましょう?

