ただの顔見知り

　秘密守護団ヤーズさんから手紙で呼び出されたので来てみれば。




　そこは、お金の問題で揉めている真っ最中。


　こんな現場に呼び出されたという事は・・・




　へっぽこさんは・・・秘密守護団の便利に使えるお財布じゃないんですけど。

　うーばーいーつだって、食べ物以外の配送はやってくれませんよ？




　一応、へっぽこさんの事を覚えていてくださったグレースさん。


　とりあえず、一体何が起きたのか教えて頂けますかね？




　？！

　宿泊料未払い？


　あらあら、ヤーズさん。

　宿を利用しておきながら料金未払いとは、そいつはいけませんねぇ・・・


　しかし、その代金をなぜへっぽこさんが払わなきゃならんのです？

　一時的に貸しとくにしても・・・あなた方秘密守護団はあちこちフラフラしてるものですから、滅多にお会い出来ませんしねぇ。




　ま、変に宿代を代わりに払っちゃう程のお友達だと言われても困りますので、ここははっきりと「ヤーズさんとは顔見知り程度なんですけど？」とか言っておきます。




　ま、何泊したのか分かりませんけど、ヤーズさんの宿代くらいならば出してもいいんですけどね・・・

　とか思ったら。


　マルタさんにラフィーさん、ついでに雇った人夫の宿泊代まで未払い？！

　それって・・・結構な額になっちゃう感じですよね？


　あっぶね。

　容易く払いますとか言わなくて良かったですわ。　




　あー、こりゃヤーズさんもしっかりお二人と話しあった方がいいですよ。

　て。

　マルタさんとラフィーさんが行方不明・・・？

　古代の石室で？


　あら・・・

　また何か良からぬことをやっていらしたんですね・・・
　



　と、ある程度状況が飲み込めたところなんですが、一方ヤーズさんはぶち切れです。


　てめぇ！知り合いとはどういう事だ！


　とね。


　でも、だからと言って、お友達言うほど仲良くは・・・ないっすよね・・・？

　基本、へっぽこさんは単独行動の冒険者ですし。




　で。また落ち込んじゃいました。


　まーまー。

　今はとにかく、マルタさんとラフィーさんを探すのが先決じゃありませんこと？

　お二人はお金持ってるんでしょ？

　彼らに宿代を払ってもらえば、万事解決じゃないっすか。