バルアム

案内役のランドさんは、一応地元の名士のご長男という事で、このシャルボノー爺さんとは旧知の仲らしいご様子でした。

しかし・・・シャルボノー爺さんのおっしゃる事は、なんだか詩的な感じと言うか・・・
どれもこれも要領を得ないお言葉ばかりです。

でも、一応ランドさんには通じてるみたいでして。
何度かランドさんの口から聞いた後継授業とか言うものについてのお話だったらしいです。
後継授業て・・・
獣人族の長だというお父上の後を継ぐための資格試験みたいなものがあるんですかね?

もしかして、ランドさんの代わりに果てしない冬の山へ誰かが登らなければならないって話・・・
ランドさんが跡継ぎになる為の試練とか、そういうのに関係しているんでしょうか?

それはさておき。
ここへ来たのは跡継ぎ問題とは別のお話です。
マルミン王妃が故郷で何と呼ばれていたのか。
まずはその辺から調べ始めねばならんのです。

しかし、シャルボノー爺さんの返事は芳しくありません。
マルミン?わしゃ知らんよ?
てな具合。
人を探すのならば「都市と丘陵の境界」で探してみたら良いじゃない。
ですって。

そんな事よりもバラクス祭壇にバルハン王子が来たという噂を耳にしたんだが?とおっしゃるシャルボノー氏。
そこでランドさんは、その王子の要請でマルミン王妃の手がかりを探しているという話をしました。

するとどうでしょう。
つい先ほど「しらねぇーなぁ?」と言っていた

しかも、王妃のマルミンという名は、シャルボノー爺さんが付けたものなんだそうな。

しかしそれも、バレンシアと冬山地方(エイル村)との間での秘密の政略結婚だったからという話なのでしょう。
ランドさんがバルハン王子の要請で動いていると聞くまでは話す訳にはいかなかったらしいですわね。
それでも、これ以上何かを話すのは難しいとおっしゃるシャルボノー爺さん。
ええ、ええ。お立場上そんな感じでしょう。
ですが、お名前さえわかればね。
ほかで調べようがあるというものですよ。

