正体不明の依頼主

てか、それ以前にこの方・・・お犬様?
いや・・・やけに大きなしっぽやら、耳の形を見る限り・・・狐さんかしら?
どちらにせよ、よく見かける獣人族とは完全に雰囲気が違いますね。

で。
なんだかヤケに勢いのある依頼主さんですわね。

なーんて心の中で軽く突っ込んでみたんですが・・・
ん?
あれ?

もしかして、わたくしが来たことにまだ気づいていらっしゃらない?
依頼に興味を持った冒険者が来た時の為に、その対応をシミュレーションしていらっしゃる感じ?

どうもそんな感じですわね・・・
狐獣人の世界にもタメ口とかそういう概念があるんですねぇ・・・

てか、いつになったらドラカニアさんの存在に気が付いて下さるんでしょう?
ま、面白いのでこのまま黙って見ていても飽きませんが。

それにしても、傭兵事務所に依頼を出したものの、なかなか人が集まらないみたいですわね。
報酬が足らない?
いやいや、報酬は望みのままって条件でしたでしょう?
ま、逆にそれが怪しさ満点な感じの依頼になってしまっているんでしょうけれども。

で。
やっとドラカニアさんの存在に気が付いて頂けたみたいですね。
ええ、ええ。
依頼を聞いてやってきた冒険者でございます。

そして、狐さんの口から出た言葉は・・・
あらー。
貴方、何処からどう見ても、むっちゃ緊張している感じ丸出しですわね。
さっき迄の

