冬の木の生存戦略
師匠の命が危うい(?)この時に、弟子のランドさんはというと・・・

見て見て!冬の精霊だよ!
じゃないですよ・・・ランドさん、何やってんすか。
見張りの兵士が叫んでいたのが聞こえなかったんですか?
タブダイ先生がピンチなんですけど。

どうやらこの冬の精霊とやらに気を取られて、周りの声が全然聞こえて無かったみたいですね。
大体、何ですか?この冬の精霊って。
何故、こんな檻に入れられてるの?

一応、この精霊は何なんだと確認してみますけど・・・
捕虜?
ま、なんか良く分からないですけど、とにかく何処かで捕まえてきたんでしょうね。

でも・・・捕虜管理人業務のテムジンさんは、怖いので後ろを向かないと。
そんな姿勢では、何時か逃げられてしまいそうですけどねぇ。
まあ、いいです。
とにかくタブダイ先生の所に戻りましょう。

そして、慌ててタブダイ先生に駆け寄るランドさん。
すると妙な臭いに気が付いたみたいです。
ん?臭い?

ああ・・・毒物の臭いなんですね。
そりゃ、あまり嗅がない方が良さそうですわ。
にしてもタブダイ先生・・・あまり時間がないって・・・
不吉な事おっしゃらないで下さいよ・・・

そして、ランドさんに大事な事だと話を始める先生。
それは、冬の木の生存戦略について。

生存戦略とか小難しい言い方をしていらっしゃいますが、要するに冬の木がどうやって種を保存し、生息域を広げていくか。そんなお話みたいですわね。
一つは、冬の木から吹いてくる風に乗って種が運ばれる事によって分布する地域を拡大させていく方法。
ま、これは植物として極スタンダードな広がり方ですわね。
後は普通、種が落ちた先の気候条件さえ整っていれば・・・その植物の生息域は広がって行くという事なんですけど・・・
冬の木に関して言えば、他の植物とは違い周囲の気候を寒くしてしまう不思議な力があるみたいなんですけど・・・どうなんでしょ?
冬の木が広がると、果てしない冬は一層厳しくなる・・・
それは、冬の木が広がるせいなのか、もともとこの世界の寒さが増しているのか・・・

そして、冬の木が広がって行くもう一つの方法が植樹。
え?
雪獣人が植樹してんの?!
植樹活動まで行うなんて、雪獣人さん達って環境保護に熱心な方達なのか?
とか思ったんですが・・・ラブレスカ復活の迷信が彼らをそうさせているそうな。
へぇ。

だから、例の薄暗い冬の木も雪獣人が植えたものだと先生は考えていたそうなのですが、実は違ったそうなのです。

なんと、タブダイ先生も見た事のないモンスターが・・・雷の木の近くに植樹を行っていた・・・
この地方には、そんなに植樹好きなモンスターが居るんですか?
しかも、そのモンスターが植樹した木に咬みつくと、木が一気に成長??
それがあの薄暗い冬の木になったそうな。
・・・。
ほら。薄暗い冬の木って、そこからモンスターが出て来ちゃうじゃないっすか。
それが咬みつくだけの簡単作業で量産されちゃうなんて・・・
思った以上にヤバくないっすか?


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