スラム街の聖女
そんな彼女の足跡を追い、情報集めを開始するへっぽこさん。

まず初めに、お話を伺った方は、カルフェオンスラムと言えばこの人物。
銀行頭取、バスケアン・リュリック様で御座います。
何を隠そう、彼もまた困窮に喘ぐスラムの人々を救おうと考えるお一人です。

そのリュリック様に、ドスリアさんから託されたヒマワリをそっと渡し、アタラクシアさんについてお伺いしてみます。
いきなり来て、ヒマワリ・・・
なんとも秘密のやり取りをしている感じですわね。

リュリックさん曰く、アタラクシアさんは結構な額の寄付をしていったみたいですわね。
別荘を買う為に貯めていたお金も、今となっては不要。
それなら誰かの運命を変える為に・・・その活動の一環だったのでしょう。

ああ・・・何か冷たい印象ね・・・
でもま、弁護させて頂くとすれば、ガネルもベディル(アヒブ)も表面的には戦争中。
他国の事に構っている暇など無いというのが正直な所なのではないかと思います。
その中でも、アタラクシアさんは特別だった訳ですが。

次に話を伺ったのは、街角に座り込む薬草商人ニヴェスさん。
ん・・・
こんな少女に、ごついおっさんがいきなりヒマワリを渡そうとして・・・逮捕されないかしら。

ま、ここはスラム街。
へっぽこさんの行動を怪しんで捕まえようとする兵などいないだろうと、勇気をもってヒマワリを手渡してみます。
すると彼女から、アタラクシアさんを覚えているとの反応が。
ああね。
何せアタラクシアさんは、ここでは聖女ですからね。
相当な有名人だったのでしょう。

スラムの聖女アタラクシアさんは、病気になったニヴェスさんのお母様の為に薬草を用意して下さったそうです。
しかも、ただ薬草を渡すだけでなく、その見分け方まで教えて下さったと。
ただ助けるだけではなく、知識までちゃんと与えていくなんて。
いやー、流石ですね。

そうか。それでニヴェスさんは今、薬草商人として生活して行けている訳ですね。
そう考えれば、今の彼女があるのもアタラクシアさんのおかげ。
間違いなくこれは、誰かの運命を変える行いですわね・・・


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